離婚後にしなければならない手続きとは?押さえておきたい重要な届け出と進め方

離婚は人生の大きな転機です。精神的な負担に加えて、離婚後には多くの行政手続きや契約変更が待っています。何から手をつけるべきか、どのような書類が必要か、期限はいつまでかなど、不安に感じることも多いでしょう。

離婚後の手続きを怠ると、健康保険が使えなくなったり、児童手当が受給できなくなったりするなど、生活に直接影響が及ぶ可能性があります。また、期限がある手続きもあるため、事前に全体像を把握しておくことが重要です。

本記事では、離婚後に必要となる手続きを体系的に整理し、それぞれの手続きで必要となるもの、注意点、スムーズに進めるためのポイントを詳しく解説します。役所での手続きから生活関連の契約変更まで、漏れなく対応できるよう、実践的な情報を提供します。

離婚後の手続きに必要なものを準備する

離婚後の手続きをスムーズに進めるためには、事前に必要な書類や持ち物を揃えておくことが不可欠です。何度も役所や各機関に足を運ぶ手間を省くためにも、あらかじめ準備を整えておきましょう。

  • 離婚届の受理通知は、離婚が正式に成立したことを証明する重要な書類です。役所で離婚届を提出すると受理証明書が発行されますので、必ず保管してください。この書類は、その後の様々な手続きで提示を求められることがあります。
  • 本人確認書類として、運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなどの顔写真付き身分証明書が必要になります。特に氏名変更を伴う場合は、変更前の本人確認書類も必要になるケースがあるため、コピーを取っておくと便利です。
  • 戸籍謄本・住民票は、離婚後の各種手続きで頻繁に必要となります。戸籍謄本は離婚届の提出後、1~2週間程度で新しい内容が反映されますが、手続きの種類によっては「離婚の記載がある戸籍謄本」が必要になることもあります。複数枚を取得しておくと、各手続き先に提出する際に便利です。
  • 印鑑も忘れずに用意しましょう。認印で済む手続きもありますが、印鑑登録証明書が必要になる手続き(不動産や車の名義変更など)では実印が必要です。離婚に伴って氏が変わる場合は、新しい氏の印鑑を作成しておく必要があります。
  • 年金手帳と保険証は、国民年金の種別変更や健康保険の切り替え手続きで必要です。特に配偶者の扶養に入っていた場合は、離婚後すぐに手続きをしないと無保険状態になってしまう可能性があるため、必ず持参してください。

これらの書類を事前に一つのファイルにまとめて管理しておけば、手続きの際に慌てることがありません。また、各手続き先に事前に電話で確認し、必要書類のリストを作成しておくとさらに効率的です。

離婚後に役所で行う必須手続き

離婚後には、市区町村役場で行わなければならない手続きがいくつかあります。これらは生活の基盤となる重要な手続きですので、優先的に対応する必要があります。

住民票の異動と世帯主変更

離婚に伴って別居する場合、転出・転入届を提出して住民票を異動させる必要があります。この手続きは転居後14日以内に行わなければならないと法律で定められています。

引っ越し元の市区町村役場で転出届を提出すると転出証明書が発行されます。その後、新住所の市区町村役場で転出証明書と本人確認書類、印鑑を持参して転入届を提出します。マイナンバーカードを持っている場合は、転出証明書なしで手続きができる場合もありますので、事前に確認しておきましょう。

同じ市区町村内での引っ越しの場合は、転居届を提出するだけで完了します。また、世帯主が変わる場合は世帯主変更届も必要です。特に子どもがいる場合、世帯主を誰にするかは児童手当などの申請にも影響しますので、慎重に判断してください。

国民健康保険の加入または変更

配偶者の健康保険の扶養に入っていた場合、離婚後は自分で健康保険に加入しなければなりません。就職して会社の健康保険に加入する場合を除き、国民健康保険への加入手続きが必要です。

手続きは離婚後14日以内に行う必要があります。市区町村役場の国民健康保険窓口で、離婚届の受理証明書または戸籍謄本、本人確認書類、印鑑を持参して申請します。扶養から外れた証明として、配偶者の勤務先から発行される「健康保険資格喪失証明書」が必要になることもあります。

国民健康保険料は前年の所得に基づいて計算されますが、離婚により収入が減少した場合は減免制度を利用できる可能性があります。窓口で相談してみることをお勧めします。

国民年金の種別変更手続き

離婚によって年金の種別が変わる場合があります。特に、配偶者の扶養に入っていた第3号被保険者から、自営業者などの第1号被保険者、または会社員の第2号被保険者に変更になるケースでは手続きが必要です。

第3号被保険者から第1号被保険者への変更は、市区町村役場の年金窓口で手続きを行います。年金手帳、離婚届の受理証明書または戸籍謄本、本人確認書類、印鑑を持参してください。この手続きも離婚後14日以内に行う必要があります。

第2号被保険者(会社員や公務員)になる場合は、勤務先を通じて手続きを行います。また、将来の年金額を増やすための年金分割制度についても、このタイミングで確認しておくとよいでしょう。

印鑑登録の変更手続き

離婚によって氏が変わる場合、印鑑登録も変更する必要があります。旧姓の印鑑登録は自動的に抹消されるわけではありませんが、新しい氏の印鑑で新たに登録し直すことが一般的です。

手続きは市区町村役場の窓口で行います。新しい印鑑、本人確認書類を持参し、印鑑登録申請書を提出します。即日発行される場合もありますが、本人確認のため後日郵送で照会書が送られてくるケースもあります。

印鑑登録証明書は、不動産や車の名義変更、金融機関での手続きなど、重要な契約の際に必要となりますので、早めに手続きを済ませておきましょう。

氏名と身分証明書の変更手続き

離婚に伴って氏が変わる場合、様々な身分証明書や公的書類の変更手続きが必要になります。これらの手続きは連鎖的に行う必要があるため、順序を理解しておくことが重要です。

離婚後の氏に関する手続き

離婚すると、原則として婚姻前の氏(旧姓)に戻ります。これを「復氏」といいます。ただし、離婚後も婚姻中の氏を名乗り続けたい場合は、離婚の日から3ヶ月以内に「離婚の際に称していた氏を称する届」(通称「婚氏続称届」)を市区町村役場に提出する必要があります。

この届出は一度しか行えず、後から変更することはできませんので、慎重に判断してください。特に子どもがいる場合、親子で氏が異なることによる影響も考慮する必要があります。

氏が変わると戸籍も変動します。旧姓に戻る場合、結婚前の戸籍に戻るか、新しく自分を筆頭者とする戸籍を作るかを選ぶことができます。婚氏を続称する場合は、自動的に新しい戸籍が編製されます。

戸籍の変更が完了するまでには通常1~2週間程度かかります。その後、新しい戸籍謄本を取得して、各種身分証明書の変更手続きを進めていくことになります。

運転免許証とパスポートの変更

運転免許証は最も頻繁に使用する身分証明書ですので、優先的に変更しましょう。手続きは住所地を管轄する警察署または運転免許センターで行います。

必要なものは、運転免許証、新しい氏と住所が確認できる書類(戸籍謄本、住民票など)、印鑑、そして申請用の写真(窓口で撮影できる場合もあります)です。即日で新しい免許証が交付されますので、その後の各種手続きの身分証明書として利用できます。

パスポートについては、氏名や本籍地が変わった場合に手続きが必要です。残存有効期間によって「記載事項変更申請」または「新規申請」のいずれかを選択します。

記載事項変更の場合は、有効期間はそのままで氏名等のみが変更されます。必要書類は、現在のパスポート、戸籍謄本(6ヶ月以内に発行されたもの)、写真1枚、申請書です。手数料は6,000円(10年有効)または4,000円(5年有効)です。

パスポートの変更手続きは住所地の都道府県旅券課で行いますが、通常は申請から受領まで1週間程度かかります。海外渡航の予定がある場合は、余裕を持って手続きを行ってください。

その他、健康保険証マイナンバーカードクレジットカード銀行のキャッシュカードなども氏名変更が必要です。マイナンバーカードは市区町村役場で、クレジットカードや銀行口座は各金融機関の窓口またはウェブサイトから手続きを行います。

子どもがいる場合の手続き

子どもがいる場合、親自身の手続きに加えて、子どもに関する様々な手続きが必要になります。これらは子どもの生活や教育に直結する重要なものですので、優先的に対応しましょう。

子どもの氏と戸籍の変更

離婚によって親の氏が変わっても、子どもの氏は自動的には変わりません。例えば、母親が旧姓に戻っても、子どもは父親の氏のまま父親の戸籍に残ります。

子どもの氏を変更して自分の戸籍に入れたい場合は、家庭裁判所に「子の氏の変更許可申立て」を行う必要があります。申立てができるのは、子どもが15歳未満の場合は親権者、15歳以上の場合は子ども本人です。

申立てに必要な書類は、申立書、子どもの戸籍謄本、親の戸籍謄本などです。申立手数料として子ども1人につき800円分の収入印紙が必要です。審理は比較的短期間で終わり、通常は1~2週間程度で許可審判が出ます。

許可審判書を受け取ったら、それを持って市区町村役場に「入籍届」を提出します。これにより、子どもの氏が変更され、親の戸籍に入ることができます。

学校に通っている子どもの場合、氏の変更は学校生活にも影響を与える可能性があります。子どもの意思や心情も十分に考慮して判断することが大切です。

児童扶養手当と児童手当の申請

児童扶養手当は、離婚などによりひとり親となった家庭の生活の安定と自立を支援するための制度です。子どもが18歳になった年度の3月31日まで(障害がある場合は20歳未満まで)受給できます。

手続きは市区町村役場の子育て支援課などで行います。必要書類は、申請者と子どもの戸籍謄本、世帯全員の住民票、申請者名義の預金通帳、年金手帳、健康保険証、所得証明書などです。

児童扶養手当には所得制限があり、前年の所得が一定額を超えると支給額が減額されたり、支給されなかったりします。2025年現在、全部支給の所得制限額は扶養親族等の数によって異なりますが、扶養親族が1人の場合は所得87万円(収入ベースで約160万円)が目安です。

離婚が成立した日の翌月分から支給対象となりますが、申請月の翌月分からの支給となるため、離婚後できるだけ早く申請することが重要です。遡って支給されることはありませんので注意してください。

児童手当については、離婚によって生計を維持する親が変わる場合、受給者の変更手続きが必要です。通常は所得の高い方が受給者となりますが、離婚後は子どもを養育している親が受給者になります。

前の受給者は「受給事由消滅届」を、新しい受給者は「認定請求書」を市区町村役場に提出します。こちらも申請月の翌月分からの支給となるため、離婚後すぐに手続きを行いましょう。

就学援助とひとり親家庭への医療費助成

就学援助は、経済的理由により就学が困難な児童生徒の保護者に対して、学用品費、給食費、修学旅行費などを援助する制度です。各市区町村の教育委員会が実施しています。

申請は子どもが通う学校または教育委員会で行います。生活保護受給世帯や、前年の所得が一定基準以下の世帯が対象となります。離婚によって所得が減少した場合、新たに対象となる可能性があります。

申請時期は年度初めが一般的ですが、年度途中でも申請できる場合がありますので、学校または市区町村の教育委員会に確認してください。

ひとり親家庭等医療費助成制度は、ひとり親家庭の親と子の医療費の自己負担分を助成する制度です。制度の内容や所得制限は自治体によって異なりますが、多くの場合、児童扶養手当の所得制限額に準じています。

申請は市区町村役場の子育て支援課や福祉課で行います。健康保険証、児童扶養手当の証書(受給している場合)、所得証明書などが必要です。この制度を利用すると、医療費の窓口負担が無料または一部負担で済むため、家計の大きな助けとなります。

これらの制度は自治体によって名称や内容が異なる場合がありますので、お住まいの市区町村の窓口やウェブサイトで詳細を確認することをお勧めします。

財産や契約に関する変更手続き

離婚に伴い、財産や各種契約の名義変更も必要になります。これらの手続きを怠ると、将来的にトラブルになる可能性がありますので、確実に対応しましょう。

銀行口座とクレジットカードの変更

銀行口座の氏名変更は、各金融機関の窓口で行います。必要なものは、通帳、キャッシュカード、新旧の氏名が確認できる本人確認書類(運転免許証など)、届出印(新しい氏の印鑑)です。

オンラインバンキングを利用している場合は、氏名変更後に再度登録手続きが必要になることがあります。また、公共料金などの自動引き落としを設定している場合、氏名変更によって引き落としが停止される可能性がありますので、各サービス提供者にも氏名変更を連絡してください。

給与振込口座として使用している場合は、勤務先にも新しい口座情報を届け出る必要があります。児童手当や児童扶養手当の振込先としている場合も、市区町村役場に変更を届け出てください。

クレジットカードの氏名変更は、カード会社の窓口、電話、またはウェブサイトから手続きができます。多くの場合、変更届を提出すると新しい氏名のカードが1~2週間程度で郵送されてきます。

氏名変更の手続きをしないままクレジットカードを使用し続けると、海外旅行の際にパスポートとの氏名の相違により問題が生じたり、カードの更新時にトラブルになったりする可能性があります。

また、クレジットカードの引き落とし口座の名義も変更されている場合は、カード会社に新しい口座情報を登録する必要があります。

不動産や車の名義変更

不動産の名義変更は、法務局で登記手続きを行う必要があります。離婚による財産分与として不動産を取得した場合、「財産分与による所有権移転登記」を申請します。

必要書類は、登記申請書、離婚協議書または離婚調停調書、戸籍謄本、住民票、固定資産評価証明書、不動産の権利証または登記識別情報などです。登録免許税として固定資産評価額の2%がかかります。

手続きは複雑で専門的な知識が必要なため、司法書士に依頼するのが一般的です。費用は不動産の価額や司法書士の報酬によって異なりますが、10万円前後が目安です。

自動車の名義変更は、運輸支局または自動車検査登録事務所で行います。必要書類は、車検証、譲渡証明書、新旧所有者の印鑑登録証明書、新所有者の車庫証明書などです。

手続きには移転登録手数料として500円程度、ナンバープレートを変更する場合はその費用も必要です。自動車保険の契約者名義や記名被保険者も変更する必要がありますので、保険会社にも連絡してください。

離婚時に財産分与として車を譲り受ける場合、自動車税や保険料などの維持費についても事前に確認しておきましょう。

年金分割の手続き

年金分割制度は、婚姻期間中に夫婦が納めた厚生年金保険料の記録を分割し、将来受け取る年金額に反映させる制度です。これにより、専業主婦(夫)など配偶者の扶養に入っていた側も、老後の年金を増やすことができます。

年金分割には「合意分割」と「3号分割」の2種類があります。

  • 合意分割は夫婦の合意または裁判所の決定に基づいて分割割合を決めるもので、按分割合の上限は50%です。
  • 3号分割は2008年4月以降の第3号被保険者期間について、合意なしに自動的に50%ずつ分割できる制度です。

手続きは、離婚後2年以内に年金事務所で行う必要があります。この期限を過ぎると分割請求ができなくなりますので注意が必要です。

必要書類は、年金分割の合意書または裁判所の決定書、戸籍謄本(離婚の事実と婚姻期間が確認できるもの)、年金手帳または基礎年金番号通知書、本人確認書類などです。

まず年金事務所で「年金分割のための情報提供請求書」を提出し、対象期間や按分割合の範囲などの情報を取得します。その後、合意が成立したら「年金分割の請求書」を提出します。

年金分割は将来の年金額に大きく影響する重要な手続きですので、専門家(社会保険労務士や弁護士)に相談しながら進めることをお勧めします。

その他の生活関連手続き

役所や金融機関での手続きに加えて、日常生活に関わる様々な契約やサービスの変更も必要です。これらを見落とすと、請求書が届かなくなったり、サービスが停止されたりする可能性があります。

勤務先への報告と社会保険の変更

離婚したことを勤務先に報告する法的義務はありませんが、社会保険や税金の手続きのために報告が必要になります。特に扶養家族の異動があった場合は、速やかに人事部または総務部に届け出てください。

配偶者を扶養に入れていた場合は、健康保険の扶養削除手続きが必要です。また、配偶者控除や配偶者特別控除を受けていた場合は、それらが適用されなくなります。年末調整の際に必要な「扶養控除等申告書」も訂正する必要があります。

逆に、離婚後に子どもを自分の扶養に入れる場合は、健康保険の扶養追加手続きと、扶養控除の申請を行います。扶養家族が増えることで所得税や住民税が軽減されますので、忘れずに手続きしましょう。

社会保険の変更手続きは、通常は勤務先の担当部署が行いますが、必要書類(戸籍謄本など)の提出を求められることがあります。また、離婚を機に転職する場合は、失業保険の受給資格や再就職手当についても確認しておくとよいでしょう。

氏名が変わった場合は、社内システムや名刺、メールアドレスなどの変更も必要になります。取引先への連絡についても、上司や人事部と相談しながら適切に対応してください。

公共料金や通信サービスの契約変更

公共料金(電気、ガス、水道)の契約名義変更は、各事業者に連絡して行います。引っ越しを伴う場合は、旧住所での使用停止と新住所での使用開始の手続きが必要です。

電気やガスは電話やウェブサイトから手続きができます。水道は市区町村または水道局の窓口で手続きを行います。氏名が変わった場合は、本人確認書類が必要になることがあります。

自動引き落としで支払っている場合、銀行口座の名義変更をした後は、公共料金の引き落とし口座情報も更新する必要があります。手続きを忘れると引き落としができずに滞納扱いになる可能性がありますので注意してください。

通信サービス(携帯電話、インターネット回線、固定電話)についても、契約者名義の変更が必要です。携帯電話の場合、店舗に出向いて本人確認書類を提示し、氏名変更手続きを行います。

家族割引や複数回線の契約をしていた場合、離婚によって契約形態が変わる可能性があります。料金プランの見直しも含めて、携帯電話会社のカスタマーサポートに相談するとよいでしょう。

インターネット回線は、引っ越しを伴う場合は移転手続きまたは解約・新規契約が必要です。契約期間の縛りがある場合は解約金が発生することもありますので、契約内容を確認してください。

その他、NHK受信料新聞購読定期配送サービス(食材宅配、ウォーターサーバーなど)、会員制サービス(スポーツジム、動画配信サービスなど)なども、住所や氏名、支払方法の変更が必要になる場合があります。

契約しているサービスをリストアップし、一つずつ変更手続きを行っていくことをお勧めします。特に住所変更を怠ると重要な通知が届かなくなる可能性がありますので、漏れがないように確認しましょう。

離婚後の手続きをスムーズに進めるための注意点

離婚後の手続きは数が多く、全ての手続きが終わるまで30日から45日かかります。また、それぞれに期限や必要書類が異なるため、計画的に進めることが重要です。以下のポイントを押さえておくことで、手続きをスムーズに進めることができます。

期限のある手続きを優先することが最も重要です。特に、住民票の異動(14日以内)、国民健康保険の加入(14日以内)、国民年金の種別変更(14日以内)、児童扶養手当の申請(早いほど良い)、年金分割の請求(2年以内)などは期限が定められています。

カレンダーやスケジュール帳に期限をメモし、優先順位をつけて手続きを進めましょう。期限を過ぎると受給できるはずの手当が受け取れなくなったり、追加の手続きが必要になったりする場合があります。

必要書類を事前に確認し、まとめて取得することも効率化のポイントです。戸籍謄本や住民票は複数の手続きで必要になるため、数枚まとめて取得しておくと便利です。ただし、発行日から3ヶ月以内など有効期限がある場合もありますので、使用するタイミングも考慮してください。

各手続き先に事前に電話で問い合わせ、必要書類のリストを作成しておくと、無駄な往復を避けられます。多くの自治体や機関のウェブサイトにも必要書類の情報が掲載されていますので、活用しましょう。

代理人による手続きが可能な場合もあることを知っておくと便利です。仕事で平日に役所に行けない場合や、遠方に引っ越した場合など、家族や知人に手続きを依頼できることがあります。

ただし、代理人が手続きを行う場合は、委任状、代理人の本人確認書類、場合によっては本人の印鑑登録証明書などが必要になります。どの手続きが代理可能かは各窓口に確認してください。郵送で手続きができる場合もありますので、併せて確認しておきましょう。

分からないことは専門家に相談することも大切です。特に財産分与、年金分割、親権や養育費などの複雑な問題については、弁護士や社会保険労務士、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することで、適切な判断ができます。

多くの自治体では、離婚に関する無料の法律相談や生活相談を実施しています。市区町村役場の窓口や社会福祉協議会に問い合わせてみてください。法テラス(日本司法支援センター)でも、経済的に余裕がない方への法律相談や弁護士費用の立替制度があります。

記録を残しておくことも重要です。いつ、どこで、どの手続きをしたか、担当者は誰だったかなどをメモしておくと、後で確認が必要になったときに役立ちます。提出した書類のコピーも保管しておきましょう。

離婚協議書や公正証書、裁判所の調停調書や判決書などの重要書類は、将来必要になる可能性がありますので、大切に保管してください。

最後に、自分の心身の健康も大切にすることを忘れないでください。離婚後の手続きは精神的にも肉体的にも負担が大きいものです。すべてを一度に完璧にこなそうとせず、一つずつ着実に進めていくという姿勢が大切です。

必要に応じて家族や友人にサポートを求めたり、カウンセリングなどの心理的支援を利用したりすることも検討してください。新しい生活をスタートさせるための大切な準備期間として、前向きに取り組んでいきましょう。

まとめ

離婚後には、役所での手続きから生活に関わる契約変更まで、非常に多くの手続きが必要になります。これらの手続きは単なる事務作業ではなく、新しい生活の基盤を築くための重要なステップです。

特に期限のある手続きについては、必ず期限内に完了させることが重要です。住民票の異動、健康保険や年金の変更は離婚後14日以内、児童扶養手当の申請は離婚後できるだけ早く、年金分割の請求は離婚後2年以内という期限を忘れないでください。

手続きをスムーズに進めるためには、事前の準備が欠かせません。必要な書類をリストアップし、まとめて取得しておくこと、各手続きの優先順位を明確にすること、分からないことは遠慮せず窓口や専門家に相談することが大切です。

子どもがいる場合は、親自身の手続きに加えて、子どもの氏や戸籍の変更、各種手当の申請など、子どもに関する手続きも多岐にわたります。子どもの生活や教育に直結する重要な手続きですので、優先的に対応しましょう。

財産分与や年金分割など、将来の生活に大きく影響する手続きについては、専門家のアドバイスを受けながら慎重に進めることをお勧めします。適切な手続きを行うことで、経済的な安定を確保することができます。

離婚後の手続きは確かに煩雑ですが、一つずつ確実にこなしていけば、必ず完了します。新しい生活をスタートさせるための必要なプロセスとして、前向きに取り組んでいってください。そして何より、手続きに追われる中でも、自分自身の心身の健康を大切にすることを忘れないでください。

藤上 礼子のイメージ
ブログ編集者
藤上 礼子
藤上礼子弁護士は、2016年より当事務所で離婚問題に特化した法律サービスを提供しています。約9年にわたる豊富な経験を活かし、依頼者一人ひとりの状況に真摯に向き合い、最適な解決策を導き出すことを信条としています。ブログ編集者としても、法律知識をわかりやすくお伝えし、離婚に悩む方々の不安を少しでも和らげたいと活動中です。
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